日本語学校
留学生の資格外活動の把握と指導 ― 3か月に1度の確認と記録
今回のポイント
確認するのは許可の有無・勤務先の全て・具体的内容・毎日の活動時間の4点で、指導記録の保存も必要です。
入学者選考での日本語能力確認も、150時間の学習歴では足りず試験の証明書か面接が必須になります。
- 対象
- 日本語学校
- 発表日
- 原文に記載なし
- 制度の状態
- 一部は令和8年7月1日から適用
- 施行日
- 2026-07-01
- 対応期限
- 期限の記載なし
- 学校の対応
- 対応要
2026年(令和8年)の運用見直しで、留学生を受け入れる学校に資格外活動の定期的な確認が求められるようになりました。週28時間という上限そのものは変わりませんが、「学校が何をどこまで把握しているか」の求められ方が具体的になっています。
週28時間の数え方そのものは、別項目の「資格外活動許可とは」で扱います。ここでは学校側の業務として何が増えるのかを整理します。
なぜ変わったのか
もともと、留学生を受け入れる教育機関には、資格外活動の遵守状況を適正に管理する体制の整備が求められていました(入管法第7条第1項第2号の基準を定める省令第2号の2)。
日本語教育機関についてはさらに、認定日本語教育機関は運営ガイドライン2(3)、告示日本語教育機関は告示基準第1条第1項第40号に基づき、資格外活動の内容と勤務先の名称を含めて状況を把握し、助言・指導を行うことが求められています。
今回の見直しは、原文の言葉では「上記関係規定を担保するための具体的な手法」として示されたものです。つまり、まったく新しい規定が設けられたのではなく、既にある規定を満たすための手法が具体化された、という位置づけになります。
3か月に1度、何を確認するか
確認の頻度は3か月に1度、方法は任意とされています。確認する項目は4つです。
- 資格外活動の許可の有無
- 資格外活動を行う機関の名称(複数ある場合はその全て)
- 資格外活動の具体的内容
- 毎日の資格外活動時間
実務で重いのは2番目と4番目です。アルバイト先が複数ある場合は全てを挙げてもらう必要があり、時間も「週の合計」ではなく毎日の単位で求められています。週28時間の判定が複数勤務先の合算で行われる以上、全ての勤務先を押さえないと判定できない、という構造になっています。
違反を見つけたときにやること
確認の過程で資格外活動許可の内容に違反する状況が認められた場合は、適切に指導し、直ちに状況を改善させた上で、改善されたことを改めて確認することが求められます。指導して終わりではなく、事後確認までが1セットです。
さらに、確認結果と指導の記録は適切に保存する必要があります。参考様式として「資格外活動の把握・指導状況一覧表」(Excel)が用意されています。
入管への報告が求められるのは、次のようなケースです。
- 「雇用主が週28時間を超える勤務を強いている」といった報告が学生から寄せられた場合
- 指導しても改善が見られない学生がいる場合
この場合は、把握した情報(記録を含む)を最寄りの出入国在留管理官署に報告することとされています。学生を一方的に処分するのではなく、雇用主側の問題も含めて把握する枠組みになっている点が特徴です。
入学者選考での日本語能力確認も変わる
同じ見直しで、在留諸申請の提出書類も変わります。
これまでは150時間以上の日本語学習歴をもってA1相当以上の日本語能力を立証することが可能でしたが、適用時期以後は試験の証明書または面接による確認が必須になります。
あわせて、教育機関が記載する各種確認書(参考様式)を申請時に提出する必要があります。確認書の「試験」または「面接」の欄は、いずれか一方を必ず記載します。記載にあたっては、客観的手法で確認したことを詳細かつ具体的に書くことが求められており、原文には次のような記載例が示されています。
入学に必要な語学力は日本語教育の参照枠におけるA1相当であるところ、面接においてN5の問題集から日本語で問題を出題し、〇問中〇問日本語で回答(正答)した(選考基準は〇問正答)。
ただし、前回の在留諸申請から在籍する教育機関に変更がない場合は、各種確認書の提出は不要です。在籍を続けている学生の更新申請のたびに作り直す必要はありません。
また、入管庁ホームページに掲載の「別表掲載国・地域」出身の申請人が外国の大学等を卒業し、その卒業証明書等を提出する場合は、この取扱いの対象外(日本語能力の立証が不要)とされています。
いつから適用されるか
適用時期は申請の種類によって分かれます。
| 申請の種類 | 適用開始 |
|---|---|
| 在留資格認定証明書(COE)交付申請 | 令和8年10月以降に入学を予定する学生に係る申請から |
| 在留資格変更許可申請・在留期間更新許可申請 | 令和8年7月1日以降の申請から |
更新・変更のほうが先に始まる点に注意が必要です。日本語別科にも適用されます。
学校としての備え
3か月に1度という頻度は、学期の区切りとは必ずしも一致しません。確認の運用を始める際は、次の3点を決めておくと動かしやすくなります。
- いつ確認するか(学期行事に紐づけるか、暦の四半期で回すか)
- 何で記録するか(参考様式の一覧表を使うか、既存の在籍管理資料に統合するか)
- 誰が指導まで持つか(確認する人と、違反を見つけて指導する人が別なら引き継ぎの経路が要る)
確認結果と指導記録の保存が求められている以上、紙やファイルが個人の手元に散らばる形は避けたいところです。学生ごとに履歴が追え、複数のアルバイト先と毎日の時間を持てる形が、そのまま記録の保存要件を満たします。
根拠となる原文
記事に書いた内容は、以下の原文と照合しています。引用は一次資料のままで、表記も変えていません。番号は「出典・一次資料」に対応します。上の「発表日」「施行日」が「原文に記載なし」となっているのは、その日付が一次資料に書かれていないためです。原文にない日付を推測して補うことはしていません(編集方針)。
原文が求めていること日本語教育機関は、認定日本語教育機関の運営ガイドライン2(3)または告示基準第1条第1項第40号に基づき、資格外活動の内容・勤務先の名称を含めて状況を把握し、助言・指導を行うことが求められている
また、日本語教育機関(認定日本語教育機関(留学のための課程を置くものに限る。)及び告示日本語教育機関)については、「出席管理及び在留継続支援体制に係る認定日本語教育機関の運営に関するガイドライン」2(3)又は「日本語教育機関の告示基準」第1条第1項第40号に基づき、資格外活動の内容及び資格外活動を行う本邦の公私の機関の名称を含め、留学生の資格外活動の状況を把握し、出入国管理法令に違反しないよう適切な助言及び指導を行うことが求められています。出典 [1]
原文が求めていること3か月に1度、任意の方法により、在籍する留学生から資格外活動の状況を確認する
(1)3か月に1度、任意の方法により、在籍する留学生から以下の点を確認すること出典 [1]
原文が求めていること確認項目のひとつは、資格外活動を行う機関の名称(複数の場合はその全て)
イ 資格外活動を行う本邦の公私の機関の名称(資格外活動先が複数の場合はその全て)出典 [1]
原文が求めていること確認項目のひとつは、毎日の資格外活動時間
エ 毎日の資格外活動時間出典 [1]
原文が求めていること違反する状況が認められる場合は適切に指導し、直ちに改善させた上で、改善されたことを改めて確認する
(2)上記(1)の確認過程等において、資格外活動許可の内容に違反する状況が認められる場合は、適切に指導し、直ちに状況を改善させるとともに、その状況が改善されたことを改めて確認すること出典 [1]
原文が求めていること確認結果および指導に係る記録を適切に保存する
(3)これらの確認結果及び指導に係る記録を適切に保存すること(下記第3の参考様式参照)出典 [1]
原文が求めていること雇用主が週28時間超の勤務を強いているとの報告や、指導しても改善が見られない場合は、把握した情報を最寄りの出入国在留管理官署に報告する
(4)なお、上記(1)の確認過程等において、例えば、「雇用主が週28時間を超える勤務を強いている」報告が在籍する留学生から寄せられた場合や、上記(2)のとおり指導しても改善が見られない留学生がいる場合等については、把握した情報(当該ケースに係る上記(3)の記録等)を最寄りの出入国在留管理官署に適切に報告すること出典 [1]
原文が求めていることこれまで150時間以上の日本語学習歴で可能だったA1相当以上の立証が、適用時期以後は試験の証明書または面接による確認が必須になる
日本語教育機関への入学を希望する留学生の入学者選考に当たっては、日本語教育課程の目的及び目標に応じ、勉学の意思及び能力(日本語能力)を御確認いただいているところ、在留諸申請時において、これまでは150時間以上の日本語学習歴をもってA1相当以上の日本語能力の立証を可としておりましたが、下記3の適用時期以後は、試験の証明書又は面接による確認を必須としますので、御留意ください。出典 [1]
原文が求めていること適用時期はCOE交付申請が令和8年10月以降入学予定の学生に係る申請から、在留資格変更・在留期間更新許可申請は令和8年7月1日以降の申請から
上記1及び2の適用時期は、在留資格認定証明書交付申請については、令和8年10月以降に入学を予定する学生に係る申請から適用し、在留資格変更許可申請及び在留期間更新許可申請については、令和8年7月1日以降の申請から適用します。出典 [1]
原文に書かれていること前回の在留諸申請から在籍する教育機関に変更がない場合、各種確認書の提出は不要
ただし、前回の在留諸申請から在籍する教育機関に変更がない場合は各種確認書の提出は不要です。出典 [1]
原文に書かれていること日本語別科にも適用される
ア 上記1及び2については、日本語別科に対しても適用されますので、御留意ください。出典 [1]
出典・一次資料
制度の対象や経過措置は、以下の原文で確認できます。
OneLMS
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